認定看護師なら「クリティカルケア認定看護師」

クリティカルケア認定看護師とは
クリティカルケア認定看護師は、急性期や重症患者のケアに特化した認定看護師のことです。生命の危機に直面している重症患者に対し、早期回復を促し、状態の悪化を防ぐケアを行います」。以前は「救急看護」や「集中ケア」に分かれていましたが、2019年に統合され、現在は「クリティカルケア認定看護師」として新たに認定されています。
クリティカルケア認定看護師には、「実践」「指導」「相談」の3つの役割があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
「実践」
急性期の患者に対して、症状や疾患の状態に最も適した看護ケアを提供します。看護師は患者の症状や重症度を正確に把握し、最適な初期対応を行うことで、重篤な状態への進行を防ぎ、早期の回復を支援します。
「指導」
他の看護師に対して、クリティカルケアに必要な知識や技術(急性期患者の管理方法や合併症の予防、早期回復に向けた看護の方法や考え方など)を教育・指導し、チーム全体の看護の質向上を図ります。
「相談」
多職種との連携を通じて、患者に最適なケアを提供する方法を検討・実践します。患者が退院するときや慢性期病棟へ転院するときは、理学療法士や栄養士などと連携し、患者の治療と回復に向けた支援を行います。
資格を取得するプロセス
クリティカルケア認定看護師の資格を取得するには、いくつかのステップを踏む必要があります。
まずは最低5年以上の実務経験を積まなければなりません。うち、3年はクリティカルケアに関連する分野での実務経験が必要です。また、専門の教育機関で約800時間の教育課程を1年以内に修了し、さらに特定行為研修を受講する必要があります。教育課程では、重症度の高い患者の全身管理や身体所見から病態を判断する方法など、クリティカルケアに必要な知識や技術を学びます。具体的には、医療機器の管理、薬剤の投与量の調整などです。
教育課程を修了した後は試験を受けます。試験は難易度が高く、看護実践に必要な知識と技術を問われます。
クリティカルケア認定看護師の資格を取得するまで、約2年くらいかかります。教育課程の修了に1年ほど、試験準備に数ヶ月を要するからです。また、資格取得には一定の費用もかかりますが、大体200万円から300万円程度が必要とされることが多いようです。
取得するメリット
クリティカルケアに特化した高度な知識と技術を習得することで、専門的な看護師としての実力を高められます。また、専門性の高さを証明できるため、キャリアアップや転職の際に有利に働きます。